もっと心まで抱きしめて。


 「なぁ、流川?」 
オレは隣に寝ている流川の肩に顔を埋めて言う。 
「何?」 
 寝起きの顔で流川はオレを見つめて言う。 
「オレのこと、好き?」 
 流川の筋肉質な体に回した腕に少しだけ力を込めて、オレは言う。 
「…キライだったらここにいねー」
一瞬だけ見せる躊躇い。
その後に流川の美しい形の唇から紡がれた言葉は、オレの心の奥深くの何かを揺さぶる。 
「そうだよ、な?でもさ、オレのどこが好き?」 
 ワザと少しだけ流川から離れて、流川の表情のひとつひとつを読み取るような視線で見つめる。 
「わかんねー。どこが好きとか、そんなんじゃねーと思う」 
 少し前なら、何かを聞くたびに逸らされた目も、今では真剣にオレを見つめている。 
 ひとつひとつの言葉が完成された詞のように美しい。 
 その言葉で冬の寒さの中でかじかむ指を暖めてくれる存在の重さを、少しだけ実感して、少し心が疼いた。コイツを失う日のことを考えて。 
「そっか。」 
 笑顔をつくって言う。心の中を見られたくなかったから。
流川の触るモノ全てが憎くて、流川と話す人間全てが疎ましい。
そんな感情を見られたくなかったから。 
「…また一人でいろんなこと考えてるんだろ」 
「え?」 
「だから…余計なこと考えてるだろ」
流川はとてもしなやかなその手の指でオレの頬を撫で言う。 
「…見抜かれてんだ?」
オレは少し後ろめたい気持ちを悟られないように言う。 
 オレの言葉を聞いた流川の眉根に一瞬皺が寄った。 
「ごまかそうったって、おめぇのことぐらいわかる」 
 オレの頬を掴んで横に伸ばしながら流川はオレを少し睨むような顔で言う。 
「やっぱ、見抜かれてんだ?」 
恥ずかしさと、オレのことを理解してくれている人がいるという喜びの感情の間で揺れる心。
コイツに出逢って、初めて知った気持ち。 
「…勝手に一人で進むんじゃねーよ。オレは…」
いったんそこで言葉を切る。 
「おめぇのこと…もっと知りたい」
流川が口にしたその言葉。少し恥ずかしながらも一生懸命言ってくれたその言葉。 
「おめぇのいいところも、悪いところも全部知りてーんだ」 
「流川…」 
愛しくて、とても愛しくて、オレは流川のカラダを抱き寄せる。 
こんなにも自分の気持ちをぶつけてくれる流川は初めてで、オレは一瞬、夢ではないかという錯覚に陥る。 
でも、腕の中で伝わってくる流川の呼吸や心音はとてもリアルで、全てが現実だと認識させられる。
オレは腕の中の温もりを、いつもよりももっともっと愛しく思う。 
恋しくて、愛しくて、オレは言う。 
「もっと心まで抱きしめて?」 

どこかで聞いた歌の歌詞。パクリで上等。今のオレの言葉じゃ、きっと届かないから。 
いつかオレ自身の言葉を見つける日まで、こいつはきっと隣にいてくれるから。 
だから、今はパクリでもなんでもいい、ただオレの気持ちを伝えたかった。 
 だから…強くオレを惹きつける流川の全てに答えたい。    
 


えーっと、これは、友人の中でも最高に優しくて楽しくて面白い(笑)、Kサンと一緒に書いたものです。
短いのは、友人Kが途中であきたためです(笑)というのは冗談で、私が恥ずかしさのため、途中で挫折したためです…(-・-;)

 初めまして??友人のKです。
なんか友人っていうとオマケみたいな印象を受けますが〜メインはあたしです(笑)
久しぶりにこういう系(っていう失礼かな?)を書きました。
古きよきあたしの現役時代?には良く書いてました。
スラムダンクっていうのはやったことなかったけど…。それなりに楽しかったです。
何より、琥珀の反応が、ね★ 
あたしの書いてるのを読んだことがある人は、そこらへんがアタシが書いたか良くわかると思います。(っても大半がアタシだけどさ。)
「なっげ…」ってツッコミが入ったので、この辺で終ります。また登場する、かも?なのでヨロシコ。



言っておきますけど、上のあとがきは私(琥珀)が書いたんじゃないですからねー。
Kが「私が書きそうな事」を想像して書いているのです。
このお話は流川→私、仙道→Kという風に書いてます。
でも、私も仙道さんのところ書いたわ…。3分の2をK、3分の1を私が書きました。
楽しかったぁ!!

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