最近なんかおかしい。こんな感情初めてだ。人から無表情、無感情なんていわれてるオレが…。
こう胸が苦しくなって切なくなる。なぜかわからないけどただひとつ言えるのは、
アイツ、陵南のエース、仙道彰のことを考えるとそうなるということだけだ。




不思議な気持ち




ある土曜日…。オレたち湘北がいつものように練習をしているとそいつらはいきなりやってきて…。そいつらというのはもちろん仙道の通う陵南高校のこと。
なんでも陵南の体育館が工事中ということで湘北に練習にらしい。
なぜ湘北なのかという突っ込みはあえてしないことにした。

よく聞くと”いきなり”というわけではないそうだ。キャプテンのゴ…赤木先輩いわく
「先週に言ったぞ!」
らしい…。ドアホウも聞いてなかったらしく
「なにー!そんなこと聞いてねえぞ!!」
と叫んでいた。まったく騒がしいやつだ。


とりあえず練習した後、簡単な試合を2回やった。
1回目は湘北、2回目は陵南が勝って、結局引き分け。
…おもしろくない。どっちとも勝ちたかったのに。
それにオレは仙道に勝っていない。あいつは手を抜いていやがる。
仙道は、
「えーそんなことないよ〜。」
と、へらへらした顔で言っていたが絶対にウソだ。オレが弱いと思ってなめてやがるんだ、絶対。
ムカつく。本気じゃない仙道にもだが、なにより本気にさせることもできない自分自身に。
それに…苦しい。なんでかわからないけど仙道の顔見たり話しかけられたりするとそうなる。わけがわからなくなって考えていると、
「ねぇ、今日うちに来ない?」
いきなり仙道が言ってきた。なんでそんなこというのかと疑問に思っていると
「それともなんか用事あるの?」
とくになかったので首を横に振った。
「じゃきまりね。着替えるからちょっと待ってて。」

という風になりゆきで決まってしまった。別に不都合なことは無いし、と思って黙ってついていった。
…苦しくなることを除けば。



仙道はでっかいマンションに1人で住んでいた。
「オメーこんなところに1人で寂しくないのか?」
と聞いてみた。仙道は少しビックリした後
「うん。今日は流川がいるから寂しくないよ。」
とニコリと笑って言った。こんな恥ずかしい台詞を…。どうせ女とかに言い慣れてるんだろう。
そう思ったらちょっとだけムカムカした。
…なぜかは分からないけど。


男の癖に仙道の家は綺麗に片付けられていた。
「なんか飲む?あ、そこら辺にテキトーに座っておいて。」
と言われたのでとりあえず部屋の中心にあるやっぱりでっかいソファーに座った。

「…なんでオレなんかを家に呼んだんだ?」
仙道がコーヒーを持ってリビングに来たのでオレは尋ねた。
「別に意味はないよ。」
コーヒーを置きオレの隣に座りながら仙道は言った。
「ただ流川と過ごしたかっただけだから。」

…っまたこいつは恥ずかしいセリフを…。

時間はすぐに過ぎていった。
仙道は学校の話とかバスケの話とかいっぱい質問してきたから大変だった。
こんなに話したのは…初めてかもしれない。でも楽しかったのは確かだ。


「仙道。もうかえらねーと。」
時計は8時を指していた。
「あっほんとだ。もうこんな時間。」
仙道はすっと立ち上がって、ほら、と手を差し出してくれた。
なんか変な感じはしたけどおとなしく手をとった。

「…送っていこうか?道わかんないんじゃない?」
玄関で靴を履いているオレに仙道は尋ねる。
「大丈夫…たぶん覚えてる。」
「たぶんかよ。心配だなぁ。」
仙道が苦笑まじりに言った。

「明日の練習は休みだっけ?練習熱心なスーパールーキー君?」
言い方に少しムッとしたが一応うなずいた。

「じゃあな。」
「センドー」
「うん?」
「…楽しかった。」
思い切って言ってみた。
すると仙道は満足そうな笑顔を浮かべ
「俺も楽しかったよ。」
と言ってくれた。


家に帰ると疲れがどっと押し寄せてきてそのまま眠りについた。



すいません…続くみたいです。これからすごい方向に物語は進んでいきます。あまり期待はしないでくださいね(笑)
ああ、だめだぁ。

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